ランゲルハンス島沖

どうしてそんなこと言うの

温室の暖かさとでかいバナナの木が怖い

コンサータ(18)1T、眠前ストラテラ(40)1Tで経過観察となる。初めはストラテラのみ処方され眠前2Tだったけれと、その後コンサータを試してみたら効果が抜群に感じられたのでコンサータに移行している。

コンサータはすごい。脳神経の一つ一つがきちんと目を覚ましていて、その一つ一つの点が繋がって線になる感じがする。快活に仕事ができる。わからないことを後回しにせず人に聞くことが苦にならなくなった。苦手な人と喋る事も怖くないし、自分のミスに自分で気がつけるようになった。まだ自信を持って仕事をすることはできないけれど、”仕事に対して自信がない”ということが苦しくない。良い意味で開き直って仕事に取り組むことができていると思う。

ストラテラは、コンサータと違って副作用が酷かった。こんなの飲み続けられないと思った。飲み始めても効果を感じられなかったけれど、内服を続けて2ヶ月くらい経った日に飲み忘れてしまった日があった。眠前薬なので(吐き気が出るので眠る直前に飲む)いまもたまに飲み忘れるけれど、明らかに違う。ADHDの人がコンサータストラテラを内服して、「霧が晴れた感じ」と表現するようだけど、私にとってそれは"湯気"だった。ストラテラを忘れた日は湯気が目の前に現れる。本当に銭湯にいる感じになるのだ。頭がぼうっとして、視覚情報と脳神経が乖離していて、目に見えるもののコントラストがあいまいになる。世界の輪郭がぼやける。ストラテラは内服している間はそれほどはっきりとした効果は感じられないけれど、内服を忘れたときに存在の大きさに気付かされる薬だ。

ストラテラADHD全般の症状を和らげ、全体的な水準を上げつつ、コンサータで不注意の部分を刺激することで、今はちょうどいい薬量で調整ができている感じがする。

 

しかし、内服していてもミスすることはある。あくまでそのミスに自分で気づけるようになったか、早く気がつくようになったか、ミスする回数が減ったか、という変化があるだけだ。ミス自体は無くならない。内服していてもミスが無くならないということは、"内服している事実に言い訳ができない"ということだと思う。他の人がどうかはわからないが、私は私に対してそう思う。

内服が叶ったことで少しずつ生活水準や仕事の効率は上がってきているが、今度は自分をどう評価したらいいのかわからなくなっている。何かがうまくいっても、これは薬を飲んでいるからうまくいっただけのことだと思ってしまう。何か失敗すると、薬を飲んでいるのに失敗するなんて本当に自分はだめなやつだと感じてひどく落ち込む。私は、内服で得られた効果を喜びつつも、"自分がいま困っていることに対して薬で対処すること"に納得できていない。自分で選んだくせに。ここが解消されないと、今後失敗してもうまく立ち直れなくなってしまう気がして焦る。